野球の深みに嵌まっていく

とにかく野球について語っていきます。プロ野球、高校野球、その他アマチュア、独立リーグ、メジャー…etc

日本シリーズ第3戦寸評 気迫と意地のぶつかり合い


f:id:yakyuchance:20161025235217j:image
タイトルにもある通り、正に気迫と意地のぶつかり合いという表現がぴったりのゲームだった。試合中からそんなことを考えながら見ていたら、解説の古田敦也に先に言われてしまったw別に古田にとられたわけではないのだが、やはりなんとなく悔しい。これも意地なのだろうか。

一時逆転打の中田とサヨナラ打の大谷

意地という意味では一番意地を見せたのは大谷を目の前で敬遠された日本ハムの四番、中田翔だろう。

中田はここまでのシリーズで全くといって良いほど役割を果たせていなかった。しかし、日本ハムの打の中心は紛れもなく中田翔なのだ。確かに今日試合を決めたのは大谷だ。一番話題になっているのも、大谷だ。

でも、打線は中田が中心なのだ。だからこそあんな大チャンスで回ってきた。そして決めた。

自分は試合前から中田がこの試合、ひいてはこのシリーズの命運を握ると思っていた。あの場面で打っても打っていなくても、全ての重責は中田が背負っていた。それが四番だ。ペナントなら命運を握るのは決して四番とは限らない。しかし短期決戦で全てを背負うのは四番だ。大谷が打線の全てを背負うことはないのだ。

だからこそ打ってよかった。意地を見せた。この一打は今後のシリーズに大きな影響を与えていくだろう。

満身創痍の体で黒田が見せた"らしい"投球

後半の熱すぎる攻防のせいで、中心としては扱われないが今日の黒田のピッチングは現役生活のまさに総決算と言えるピッチングだった。

点を取られたのは初回の内野ゴロの間の一点のみ。ツーシームカットボールなどをコーナーに投げ分け、ゴロを打たせるピッチング。「これぞ黒田」というようなピッチングだった。

心残りとすれば、アクシデントにより中途半端な場面での降板になってしまったこと。

それでも頭の中はチームのことを考えていた。黒田は一度マウンドへ戻ってきた。この行動はもちろん自分のコンディションの確認の意味も大きいだろうが、もうひとつ理由があると思う。

それはブルペン陣の準備の時間を作るためである。アクシデントでの投手の降板の後というのは、次の投手が準備不足で投げることも多い。それは今回も本来例外ではなかっただろう。しかし黒田はブルペン陣のことを考え、時間を作った。チームのことを考えてプレーをし続けた黒田らしい配慮だったと言えるだろう。

 

今日のゲームは両チーム互いに意地を見せつけた。そして結果として日本ハムが勝利を納めた。日本ハムは中田と大谷という主軸が大事な一打を放った。これはここまで広島の一方的な展開となっていたこのシリーズにおいて、大きな意味を持つだろう。

日本シリーズ、ここへ来てやっと本格的な盛り上がりを見せ始めた。